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ガントレットの立場はいずこ。
TRIはみんなが皆、心のポエマーだと思っている。
そんな感じです。丸出しです。
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「何でアンタが居んの?」
「俺じゃあ役不足だとでも?」
「逆やろ。暇なんか」
「失敬だな、わざわざ時間を割いて来てやっているんだろう」
「そらどうも。まあ、ええ口実やな」
「ハハ、分かってるじゃないか」
「おごりやろ?」
「…流石だな」
「人をダシにしよってからに」
「“会いたかった”とでも言えば良かったか?」
「追加料金が発生シマス」
「街の規模にしては、ここの品揃えは中々だ」
「せやな」
「好きなものを注文すればいいさ」
「よっしゃ、商談成立」
心地よい韻律。
アレグロ。
「エスケープと言えどリミットつきだ。可愛いもんだろ」
「サボタージュやろ。給料の範囲内」
「アバンチュールも可能だが」
「ごめんやな、どこまで逃げろっちゅう話や」
「それは残念。片翼じゃ、そう遠くまで行けやしないが」
「浪漫の片棒、重すぎるで実際。その相棒は難儀やな」
「折角翼に例えたのに、棒はないだろう」
「いや、そこんとこはどうでもええやろ」
更けていく夜。
デクレッシェンド。
「どないする気や」
「分からないさ」
探り合い。
繰り返し記号。
「“会いたかった”と、言ったら?」
見せ掛けの鎌かけ。
クレシェンド。
「なんや、決まっとるんやないか」
終止符。
「察しが良くて助かるな」
「縋って欲しいか?」
「冗談」
「ほなら、出よか」
「追加料金?」
「ご延長サービスいたしマス」
「ケチな餞だな。悪くない」
「縁起でもない、真心ですヨ、愛ですヨー」
「それならせめて、俺の目を見ろ」
「嫌や。死ぬな」
余韻。
アンコールは一曲。
幕間に、ほんの短い二重奏。